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NHK版アンパンマンとは?
皆さんは、〝NHK版アンパンマン〟をご存知か? 『ドラえもん』がテレビ朝日の前に日本テレビでも放送されていたことは割と有名(?)だが、『アンパンマン』にも実はそんな歴史がある。つまり、『アンパンマン』のテレビ化作品は、1988年(昭和63年)から日本テレビ系列で放送されているものだけではないという訳だ。当ページでは、知らない人は知らないが、知ってる人なら知っている幻のNHK版について、現段階でわかることをまとめてみた。
1976年6月24日
NHK総合テレビ午前9時30分から9時55分の『おかあさんといっしょ』で。やなせ先生がゲストとして出演し、『アンパンマン』の話をするという内容だったとのこと。
1979年3月13日
NHK総合テレビ午前9時30分から9時55分に放送された『おはなしえほん』。サブタイトルは『あんぱんまん』。女優の中村メイコさんが、主人公のアンパンマンのほか、ジャムおじさん、ばいきんまん、そしてナレーションと、1人で4役の声を演じ分けたとのこと。脚本はやなせ先生。音楽はいずみたく先生、アニメーションは毛利厚先生というメンバーで制作された。
『月刊詩とメルヘン〔1976年11月号〕』
1976年(昭和51年)11月、サンリオ。以前、『怪傑アンパンマン』が連載されていた雑誌。67ページの『風の広場』に紹介された読者のお便りに、夏休み放送された『おかあさんといっしょ』の感想が書かれた。
『月刊いちごえほん〔1979年3月号〕』
1979年(昭和54年)3月、サンリオ。当時、漫画の『アンパンマン』が連載されていた雑誌。44ページの『いちごふれんど』には、はっきりした日付は決まっていないとしながらも、テレビ化の告知がされていた。声を演じる中村メイコさんの紹介や、スタッフの情報も載っている。ただし、写真は原作からの抽出。
『アンパンマンVSアンパンマン』
2000年(平成12年)9月、フレーベル館。やなせ先生と声優の戸田恵子さんの対談集。そのなかにNHKで放送されていたことも触れている。
『痛快!第二の青春 アンパンマンとぼく』
2003年(平成15年)8月28日、講談社。やなせ先生の自叙伝のひとつ。中村メイコさんとの思い出で、ほんの少しながらも、その昔、NHKの『おかあさんといっしょ』で『アンパンマン』が放送されたことに触れている。ビデオの現存についても気にしていた。紙芝居みたいな形式だったとのこと。しかし、前述の『月刊いちごえほん〔1979年(昭和54年)3月号〕』には、毛利厚先生がアニメを担当したとの情報が載っていたので、止め絵の連続構成だけではなかっただろう。
1976年8月18日
NHK総合テレビ午前9時30分から9時55分、同じく午後5時30から午後5時55分の『おかあさんといっしょ』。内容は同年6月24日と同じ。『月刊詩とメルヘン〔1976年(昭和51年)11月号〕』で紹介されたお便りは、間違えなくこれのことだろう。
1979年7月17日
NHK総合テレビ午前9時30分から9時55分、同じく午後5時35から6時に『おはなしえほん』で。内容は同年3月13日のものと同じ。
1980年4月1日
NHK総合テレビの午前9時30分から9時55分の『おはなしえほん』で。内容は同年3月13日のものと同じ。
1981年3月10日
NHK総合テレビの午前9時30分から9時55分の『おはなしえほんん』で。内容は同年3月13日のものと同じ。
1982年7月20日
NHK総合テレビの午前9時から午前9時55分の『おはなしえほんん』で。内容は同年3月13日のものと同じ。
NHKの保存番組
一番気になるのは、やはり、映像の現存だろう。NHKアーカイブスの公式サイトには、以前、保存番組の検索システムがあり、そこで「アンパンマン」を始めとする思いつく限りのキーワードを色々試した。だが、残念ながらヒットしなかった。
高価だったビデオテープ
ここからはNHKアーカイブスの公式サイトの要約なのだが、NHKが本格的に番組を保存するようになったのは1981年(昭和56年)からだという。それ以前は経費の問題から、放送が済めば、同じビデオテープに新しい番組を上書きするという作業が繰り返し行われていたのだ。『おはなしえほん』の『あんぱんまん』は、最後の再放送が1982年(昭和57年)なので、残っていてもよさそうなのだが。けれど、もう映像が現存しないと思われた幻の番組が、関係者や当時の視聴者の協力により奇跡的に発掘された例も沢山ある。
ビデオの発掘へ
NHKアーカイブスの公式サイトでは、映像の現存が確認できない番組の発掘を我々にも呼びかけている。当時、番組を録画し、今でもビデオテープ又はそれをダビングした記録媒体を持っているという方は、是非とも協力して頂きたい。詳しくは公式サイトの『NHK番組発掘プロジェクト通信』というコーナーで。
